ポーカーは非常にルールに厳しいゲームです。
国内のアミューズメントではあえて指摘しないところも多いですが、このようなルールがあることは頭に入れておいたほうがいいでしょう。たいてい、誰かに指摘されます。
目次
ポーカーテーブル着席時
手持ちチップの置き方
手持ちチップをテーブルに置くときは、ルールがあります。
- すべてのチップを他のプレイヤーから見えるように置く ※手や物でチップが隠れないようにする
- 高額のチップを見えやすいように上へ置く
- チップをテーブル外に持ち出さない
基本は、「現時点での手持ちチップを他プレイヤーがわかるようにする」です。
また、他プレイヤーから要求があれば全ての手持ちチップを見せなければいけません。
ただし、金額を言う必要はありません。
テーブルステークス
オールインになったとき、テーブルに持ち込んだ金額を上限とするルールです。
つまり、相手が自分の手持ち以上の金額をベットしてきたとしても、賭けられる金額はテーブルに持ち込んだ額が上限です。負けた場合もそれ以上を支払う必要はありません。
あくまで手持ち金額までしかリスクを負わないため、あえて最低バイインで参加して強いハンドのみでオールインするショートスタック戦略もあります。
ハンドがある状態で手持ちチップを追加することはできません。
また、テーブルから退席するまでは手持ちチップを減らすことができません。(勝ち逃げ防止のため)
ポーカーテーブルへお金を置かない(日本国内)
国内のアミューズメントカジノ(換金不可の合法ゲームセンター)では、絶対にテーブルにお金を置かないようにしてください。
ドリンクを注文したりチップを買い足すときは、手に財布を持ってテーブルに置かないようにして、お金も直接店員に渡してください。
なかなか店員が来ないからといって、一時的にでもテーブルにお金を置くのはやめてください。
もしテーブルにお金を置いていた瞬間に警察に踏み込まれたら、テーブルにお金が置いてあったという事実だけで賭博と見なされるため注意してください。
ゲームの進行
ブラインド
ディーラーボタンの左隣がスモールブラインド(SB)、その左隣がビッグブラインド(BB)になります。SB、BBの位置にいるプレイヤーは、ゲーム開始前にそれぞれ規定のブラインド額を出します。
このブラインド額を基準にベットアクションが行われるので、そのテーブルで変動する金額の指標となります。
SB/BBは通常、「$1/$2」のような表記がされます。
スモールブラインドはビッグブラインドの2分の1が多いですが、一部のカジノでは違うこともあります。(例えば$1/$3)
また、トーナメントでは、SB/BBとは別にアンティが発生する場合があります。アンティはテーブルすべてのプレイヤーが一定の額を出すため、開始時点のポット額が大きくなります。
ただ、最近はアンティ回収を効率化するためにビッグブラインドがまとめて支払うルールを採用しているところもあります。
アクションの順番
プリフロップのアクションはBBの次のプレイヤーから時計回りで順番に行われます。
自分の番が回ってくるまでは先にアクションをしないようにしてください。
フロップ以降のアクションは、ボタンの次のプレイヤーから時計回りで行われます。
なお、テーブル上のポジションは次のような名前がつけられています。
ポジション | 読み方 | 場所 | 説明 |
---|---|---|---|
BTN | ボタン | ボタンの位置 | 一番有利なポジションです。 |
SB | スモールブラインド | BTNの左隣 | スモールブラインドの額を払います。 フロップ以降、最初にアクションをします。 |
BB | ビッグブラインド | SBの左隣 | ビッグブラインドの額を払います。 |
UTG | アンダーザガン | BBの左隣 | プリフロップで、最初にアクションをします。 |
CO | カットオフ | BTNの右隣 | |
HJ | ハイジャック | COの右隣 |
ポーカーはこのアクションの順番が非常に重要で、他の人のアクションを見てから考えることができる後ろのポジションが有利とされています。
最後にアクションをするボタンが一番有利で、それに近いCO, HJも有利な場所です。
逆にSB、BB、UTGは始めのほうにアクションするため不利とされています。
BTNは1ゲームごとに一つずつ右回りで移動し、それに合わせてポジションも1つずつ右へずれます。
カードの見方
ゲームが始まると、各プレイヤーにカードが裏返しで2枚配られます。
そのとき、配られたカードは他のプレイヤーから見られないよう、手で隠しながら確認します。
スタンダードな方法は、2枚のカードを裏返しのまま重ねて上のカードを少し左へずらし、カードの左上部分を少し持ち上げて下から覗き込むように数字とマークを確認します。このとき、左側のプレイヤーから見えないように持ち上げた部分を手のひらで覆って隠します。
※手で「かまくら」を作って隠すイメージ
カードを見るときの悪い例として、手で隠さずにカードを大きくめくったり、テーブルから離して見るというのがあります。これでは両隣のプレイヤーからカードの中が何か見えますし、またそのように誤解されます。
これはカードが見えた当人が不利になるだけでなく、両隣のプレイヤーにのみカードが多くエクスポーズ(公開)されていることになるため、著しく不平等な状態となります。
また、カードはテーブル外へ出さないようにしてください。
アクション
自分の順番が回ってきたとき、ハンドを持っていたら次のいずれかのアクションをします。
- チェック/コール
- ベット/レイズ
- フォールド
- オールイン
チェック/コール
前にベットしたプレイヤーがいない場合は、チェックするとベットせずに次のプレイヤーへ順番を回します。誰もベットをしていない場合はチェックで回すことができます。
無言でテーブルをコンコンと叩く、あるいは宙で指を回すゼスチャーはチェックを意味します。
前にベット/レイズしたプレイヤーがいる場合は、コールすると同額のチップを出します。
無言で同額を出した場合、あるいは高額チップを1枚だけ出した場合はコールを意味します。
基本的にハンドは強くもないが、かといって降りるほど弱くもないアクションです。
ベット/レイズ
ベット/レイズは賭け金を増やすアクションです。
まだ誰もベットしていない場合はベット、ベットしているプレイヤーがいる場合はレイズと言います。
ベット/レイズをしているプレイヤーはハンドが強いことを主張しています。
ただし、相手を降ろすためにブラフしている可能性もあります。
フォールド
前のプレイヤーがベット/レイズした場合に、ハンドを捨てて降りるアクションです。
ハンドがテーブルに引かれている線を越えて内側に入るとフォールドを意味します。
オールイン
テーブル上に出している手持ちチップを全て賭けるアクションです。
賭けることができる上限は、テーブルに出ている手持ちチップのみとなります。
オールインをしたプレイヤーは最後までカードを見ることができ、残ったプレイヤーとのハンド優劣によって勝敗が決まります。
なお、オールインしてそれが成立した以降に他プレイヤーがベット・レイズをしたとしても、それに対して賭け金の追加は不要です。ただしそれらはサイドポット扱いとなり、勝ったときも貰えません。
相手のベット・レイズ額に対して自分の手持ちチップが足りないときでも、手持ちチップのみでコールできます(この場合、自分はオールイン扱いとなる)。ベット・レイズとコールした差額はサイドポット扱いとなり、それはオールインをしたプレイヤー以外で取り合います。
オールインしているプレイヤーがいて、他にアクティブなプレイヤーが1人以下のときは以降のベット・レイズができないため、その時点でハンドをオープンして最後までカードがめくられます。
オールインをすれば手持ちチップのみで最後までカードを見れるという特徴を活かして、わざと最低バイインで参加するショートスタック戦略もありますが、打ち方が単調で機械的なため簡単に対策されてしまいます。
アクションするときのルール
発声優先
ポーカーでのアクションは、無言で行うことも、発声して行うこともできます。
発声と実際のアクションが異なる場合は、発声が優先されます。
慣れたプレイヤーは無言でアクションすることが多いですが、ルールを知らないと意図しない意味にとられることがあるため、最初のうちは発声してアクションを行ったほうが確実です。
無言でのアクション
ポーカーでは、ゼスチャーや動作により、無言でアクションを行うことができます。
- (チェック)机をコンコンと叩く、指を宙で回す
- (コール)レイズと同額、もしくはチップを1枚出す
- (レイズ)チップを複数枚出す
このうち、よくあるミスは2と3に関するものです。
無言で高額のチップを1枚出すと、2のルールによってレイズではなくコールとみなされます。
また、複数枚出したチップに誤って大きな額面のものが混じってしまったり、お釣りをキリのいい額にするため高額チップと端数分を同時に出した(いわゆる「コンビニ払い」)場合、無言だと3のルールによりレイズとみなされます。
他、熟練したプレイヤーでも無意識に指を動かしていたりチップをいじっていることがありますが、ディーラーによってはそれが1の動作としてチェックにみなされるケースがあります。小さい動作しかしないプレイヤーも多いため、無意識な動きが有効なアクションと誤認される可能性があります。
ストリングベット
ストリングベットとは、ベットするときに一度に全額のチップを出さず、複数回に分けて出す動作です。
無言でアクションした場合は、最初の1回目に出したチップの分だけが有効になり、あとは無効なアクションとしてベットしたプレイヤーに戻されます。なお、最初に発声していた場合は発声優先のルールにより複数回に分けて出しても有効です。
このルールの背景は「相手の表情をうかがいながら少しずつチップを出すこと」を防止すると言われています。
初心者がやる典型的なミスで、これをやるとだいたい誰かに指摘されます。
ハンドの捨て方
まだ他にアクティブなプレイヤーが2人以上いて自分がフォールドするときは、他のプレイヤーにハンドが見えないように裏返しのままディーラーに返します。このとき、カードがめくれないように注意しながら、押し出すようにディーラーへ返します。
たまに格好をつけて勢いよくカードを滑らせたり、投げたり、あるいはいったん空中へ放り上げてフォールドするプレイヤーがいますが、このような行為をしてカードがめくれてしまった場合は未必の故意といわれても仕方ないでしょう。そのため、あまり真似をしないほうが賢明です。
ハンドについての会話
フォールドしたプレイヤーは、そのゲームが終了するまでは自分のハンドが何であったかを言ってはいけません。
もし自分のハンドが何であったか言ってしまうとそのカードがすでに無いことがばれてしまうため、ゲームの状況が大きく変わってしまいます。
たとえ嘘であったとしても、真偽を判断する方法が無い以上は慎むべきです。
なお、アクティブなプレイヤーが自分のハンドについて話すこと(いわゆる三味線)は、その場所のルールによります。三味線OKの場所もあれば、NGの場所もありますので、そういう技を使うときは事前にルールを確認しておいてください。
ショーダウン
ショーダウンは、最後にベット/レイズしたプレイヤー(ラストアグレッサー)からオープンします。
また、ハンドが勝っていないのであれば、裏向きのままカードを捨ててマックすることも可能です。
ただし、裏向きのままカードを捨て、それがディーラーの手に触れるとマック扱いとなってしまうので、自分のハンドが勝っているときに間違えて裏向きで捨てないように気をつけましょう。
また、勝敗判定はディーラーが行いますが、ストレートなど分かりにくい役のときもありますので、誤って判定されないように役をしっかりと申告したほうが良いです。
その他の用語集
ハウス
胴元となるカジノ、店、主催者のことです。ディーラーを雇い、リングゲーム、トーナメントゲームを運営します。
基本的にハウスは一定額のレーキを徴収するのみで、ゲームには参加しません。
レーキ
ハウスが手数料として徴収する額です。リングゲームの場合は勝ち取ったポットの一部(だいたい5~10%)、トーナメントの場合は参加費の一部を徴収します。
トーナメントの参加費は「$15+$1.5」のように記載され、この場合は前の$15がプールされ上位者に賞金として払いだされる原資で、後の$1.5がハウスの手数料となります。
ブラフ
役が何もできていないのに、強いハンドを持っている素振りでベット/レイズして相手を降ろすアクションです。
参加者全員を降ろすことができれば、カードをオープンせずにそのままポットを獲得できます。
同じブラフでも、ストレートやフラッシュのドローで発展する可能性があるセミブラフと、その可能性が全くないピュアブラフ場合があります。
リバーではそれ以上カードをオープンすることが無いのでピュアブラフのみです。
ブラフはポーカーの華ですが、やり過ぎると弱いハンドでオーバープレイしているだけの人になります。
フローティング
相手がベットして自分がコールしたとき、次のターンで相手がチェックしたらベットするプレイをフローティングといいます。
相手はベットした次のターンをチェックすることで弱みを見せたので、そこにベットされると降りるしかないことを利用します。
有効スタック
オールインした場合に賭けられるチップはテーブルに出ている分が上限です。
そのため、自分と相手のチップ量を比較して小さいほうが賭けられる上限となり、それを有効スタックといいます。
ポットコミット
オールインをされたとき、ポットに対して残りのスタックが少ないので、コールすることが期待値プラスとなってしまい降りられない状態を言います。
フロップで有効スタックがポット以下、またターン/リバーで有効スタックがポットの3分の1以下だとポットコミットしているといわれます。
相手のチップをすべて引き出すには、相手をいかにポットコミットへ追い込むか計算してベットすることが大事です。逆に自分がマージナルなハンドでポットコミットしないよう注意が必要です。
ドミネイト
プレイヤー間のハンドの1枚が同じランクで、もう1枚が違う状態のことです。
お互いが持っている同じ数字がボードにヒットした時はキッカーで勝負が決まります。
また、お互いノーヒットの場合は、数字が違うカードの大小で勝負が決まります。
そのため、勝っている側をドミネイトしている、負けている側をドミネイトされているといいます。
ドミネイトされている側は、数字が異なる1枚のほうでペアを作らないといけないため非常に不利です。
プリフロップ時点での勝率は、ドミネイトしている側が70%、ドミネイトされている側が30%です。
さらなる上達を目指す
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