ポーカーのルールを覚えたら、次は基本的なテクニックを学んでいきましょう。
目次
良いハンドだけ参加
ゲームがスタートするとカードが2枚配られますが、その組み合わせはいくつかのカテゴリーに分類することができます。
それぞれのカテゴリーごとに詳しく紹介していきます。
参加できるハンド
Ax
Aと任意のカードの組み合わせです。Aは数字のランク(A、K、Q・・・4、3、2)で一番強く、ボードにAが出ればトップペアが完成します。
テキサスホールデムではフロップで2ペア以上ができる確率は小さいため、トップのワンペアは普通に強いです。
ちなみにxの部分がAであればAAとなり、2枚配られた時点では最強のハンドです。
Axは強いため、このハンドなら参加するプレイヤーが多いです。そのためAx同士でぶつかることも多く、その場合はxの部分の数字が大きいほうが優勢です。これを「ドミネイト」といい、下で詳しく説明しています。
絵札2枚
絵札(K、Q、J)2枚の組み合わせです。これもボードにヒットすれば強いワンペア&強いキッカーができるため、いいハンドになります。
ただし、プリフロップ時点でのヘッズアップ勝率はAx系に劣ります。
(プリフロップ時点は相手がAハイカードで勝っているため、自分が勝つためにはハンドがボードにヒットしないといけない)
ペア
同じ数字2枚の組み合わせです。いずれもすでにワンペアができており、プリフロップ時点では強いハンドです。
フロップをオープンして手持ちのペアより大きな数字が出ると、相手に上のワンペアが出来た可能性があるため価値が低くなります。
数字のランクによって扱いが異なります。
ハイペアの場合は、それより上の数字は少ないためフロップで出る可能性が低く、フロップ以降も強気に攻めることができるハンドです。
特にAAは2枚配られた時点では最強のハンドですし 、KKは2番目になります。
この2つは、プリフロップで降りることはまずありえません。
ミドルペアはやや強いカードですが、フロップで上の数字が出る可能性が高いです。ただ、相手がワンオーバー(詳細は後述)である可能性もあるため、プリフロップでは強気に攻めることができます。
フロップ以降は上のワンペアを意識する必要があるため、とたんに判断が難しくなります。
ローペアはフロップをオープンした時点で上の数字が出る可能性が高く、その時点で動けなくなるハンドです。
ただ、手持ちのペアがボードにヒットした場合はセット(※手持ちペアからの「3 of a kind」) が完成するため、そのときは非常に強いハンドとなります。
ローペアのときはセットを狙いにいき、引けなければ降りるというのが基本となります。
コネクタ
ハンド2枚の数字がつながっている組み合わせです。
たとえば8h7cや6s5d が相当します。
ボードにヒットしても弱いワンペアにしかならない場合が多いです。
ただ、数字がつながっているためストレートを狙える可能性があり、 引けた場合は強いハンドになります。
スーツが同じ場合はフラッシュも狙えるため、特にスーテッドコネクタといわれる可能性が強いハンドとなります。
参加人数によっては、間の数字が1つ開いたワンギャップもコネクタとして参加する場合があります。
ハンド同士の相性
ドミネイト
プレイヤー同士のハンド1枚が同じ数字で持ち持ちになっている状態を「ドミネイト」といいます。この場合、もう一枚のカード(キッカー)が上の数字であるプレイヤーを「ドミネイトしている」、下の数字であるプレイヤーを「ドミネイトされている」といいます。
ドミネイトされている側は、相手に持たれている数字がボードにヒットしたとしても、相手も同じようにボードにヒットしており、その場合はキッカー(もう1枚のカード)で負けています。 そのため、数字がダブっていないほうのカードがボードにヒットしないと勝てないため、劣勢になります。逆に、ドミネイトしている側は優勢になります。
1オーバー、2オーバー
ハイカード&弱いキッカー vs 強いペアのような、ペアより上の数字が1枚しかない状態を1オーバーといいます。
この場合の勝率はワンオーバー側が約30%、ペア側が約70%となり、ペア側が優勢です。
なお、ハンドが2枚ともペア側の数字を上回っている場合は2オーバーです。
この場合の勝率はほぼ5分5分です。 ※正確には約45%:約55%です
ツーオーバー対ペアは、トーナメント後半のプリフロップオールイン勝負でよく見るパターンです。
期待値を考える
相手がベット(もしくはレイズ)してきたときやプリフロップで参加するとき、コールに必要な金額とポットを見てオッズを計算します。それをもとに期待値がプラスかどうか、すなわちコールが割に合うかどうかを判断します。
例えばハンドが98、フロップがAT7の場合、ターンで欲しいカードはストレートが完成するJと6です。
さて、前のプレイヤーからベットされたときにコールすることは、期待値的にプラスなのでしょうか?
その期待値を計算するために、オッズとアウツを求める必要があります。
さっそく、それらの概念を見ていきましょう。
オッズ
オッズとは、「賭け金と、勝った時に得られる金額の倍率」のことです。
ポーカーでは次の式で表されます。
- オッズ=勝った時に得られるポット額÷自分が払うチップ
たとえば、フロップでポット総額が$100、前のプレイヤーが$60をベットしてきたとします。このとき、コールするために払わなければいけないチップは$60で、コールした場合のポット総額は$220($100+$60+$60)となります。
この場合、オッズは$220÷$60=約3.67倍となります。
また、オッズの計算を行うためにポット額を把握していることは非常に重要です。
オンラインでは画面上に現在のポット額が表示されますが、リアルではどこにも表示されないので自分でカウントしておく必要があります。
所詮は足し算と掛け算の暗算ですので、常に意識していれば練習と慣れでできるようになります。
アウツ
アウツとは、自分のハンドを強くするために必要なカードの残り枚数です。
例えば自分が98でフロップにAT7が落ちた場合、現時点では何もありませんがJ、6が落ちればストレートが完成します。
J、6は1デッキに計8枚ありますので、アウツは8枚になります。
フロップ時点で見えていないカードは47枚(デッキ52枚-ハンド2枚-フロップ3枚)ですので、ターンでアウツが落ちる確率は8÷47=約17%、約5.88回に1回です。
期待値計算
期待値とは、勝った場合と負けた場合の金額、確率をもとに、賭けが有利か不利かを判断する概念です。
次の式で表されます。
- 期待値=(勝った場合に得られる金額 × 勝つ確率)-(賭け金 × 負ける確率)
この期待値がプラスであれば利益、マイナスであれば損失です。ゼロの場合はトントンです。
ポーカーでは、この期待値がプラスの場合を「オッズに合う」、マイナスの場合を「オッズに合わない」と言います。
また、金額ベースではなくオッズベースのときは、勝った場合に得られる金額をオッズ、賭け金を1に置き換えて計算します。
- 期待値=(オッズ × 勝つ確率)-(1 × 負ける確率)
※引き分けの場合があるので、必ずしも「負ける確率=1 - 勝つ確率」とはなりません。
実戦での活用
いろいろややこしいことを書きましたが、実際はこんな計算をいちいちやってるわけではありません。
ある程度セオリーに基づいたベット額があるので、だいたいワンパターンです。
また、普通の打ち手であればたいていコールすることがオッズに合わないように、またそれが容易にわかる額をベットしてきます。
オッズ計算が必要になる状況での、アウツ枚数とフォールドするオッズの割合はだいたい次の3パターンです。
①フラッシュドロー、ストレートドロー(アウツ9~8枚)
ポットの30%以上をベットされて自分の番まで全員フォールド
オッズ5倍以下
②ツーオーバー、下のペア(アウツ6~5枚)
ポットの15%以上をベットされて自分の番まで全員フォールド
オッズ8.8倍以下
③ガットショットストレートドロー、ポケットペア、ワンオーバー(アウツ4~2枚)
ポットの10%以上をベットされて自分の番まで全員フォールド
オッズ15倍以下
こう見ると、ポットの30%以上をベットされて自分の番までフォールドなら、現状で負けている場合はコールはオッズに合わないです。
実際にベット額がポットの30%ということはあまりなく、たいていは半分~60%ほどベットする場合がほとんどです。
そのため、ベットされた時点でオッズが合うことはあまりありません。
特に、③のガットショットストレートドロー、ポケットペア、ワンオーバーは、ベットされた時点でたいていはオッズに合っていないです。
インプライドオッズ
いまのポットだけではなく、次のベットラウンドでポットに入る見込みのチップも計算に含めたオッズをインプライドオッズといいます。
インプライドオッズの計算では、勝ったときに得られる金額を次のように定義します。
現在ポットにある金額+次以降のターンでポットに入る見込額 |
この考え方により、ベットされたときにオッズが合わない状況でも、インプライドオッズを考慮すればコールできるケースがあります。
インプライドオッズの活用
インプライドオッズをよく使う場面は、フラッシュドローでコールすべきかどうか判断するときでしょう。
たとえば、次の状況を考えて見ます。
ターン (ポット:$200)
(相手)
※これまでの打ち方から見て、おそらくのツーペアと予想
自分はハートのフラッシュドローを持っており、リバーでハートを引ければ逆転できるとします。
そして、相手のハンドは相当強いハンド(たとえばAKのツーペア)であると予想しており、リバーでハートを引いてベットしてもコールしてくれると考えていたとします。
ポットには$200あります。
この状況で、相手から $100のベット(ポットの半分)をされました。
オッズで計算する場合
逆転できるアウツはハートの9枚で、見えていない残りカードは46枚のため、リバーでハートを引ける確率は9÷46≒約20%です。
一方、コールするために必要な額は$100で、コールした場合のポット額は$400のため、期待値は次のように計算されます。
(勝った場合:20%) ($400 – $100) × 20% = $60
(負けた場合:80%) -$100 × 80% = -$80
(期待値)$60 + (-$80) = -$20
オッズ計算の考え方だと、期待値がマイナスになるためコールすべきでない結論になります。
インプライドオッズを含めた場合
ここで、インプライドオッズを含めて計算してみます。
リバーでハートを引いてフラッシュが完成してポットの7割($400 × 0.7 = $280)をベットしても、相手はハンドが強いためコールしてくれるだろうと見積もったとします。
その場合、期待値は次のように計算されます。
(勝った場合:20%) ($400 + $280 – $100) × 20% = $116
(負けた場合:80%) -$100 × 80% = -$80
※オレンジの$280が、リバーで相手がコールしてくれる分
(期待値)$116 + (-$80) = $36
インプライドオッズを含めた考え方だと、期待値がプラスになるためコールすることが正しくなります。
インプライドオッズの注意点
インプライドオッズは、オッズ計算に次以降のターンで得られる金額も含める方法です。
そのため、いくつか注意点もあります。
- 相手のハンドが強いと予想され、そのためドローが完成しても十分な額のベットをコールしてくれること
- あるいは、ボードから見えにくいハンド(セットやストレート)を持っていること
- ドローが完成したときに逆転できていること (上のストレートやフラッシュを持たれていないこと)
あと、インプライドオッズはコールをするための言い訳としてよく使われるので気を付けよう。
ポーカーの色々な確率
ほとんどのプレイヤーはポーカーの色々な確率を丸暗記しています。
ある程度プレイしていれば自然に覚えます。
プリフロップオールインでの勝率
■2オーバー vs ペア
ほぼ勝率は5分5分 (正確には2オーバーが45%、ペアが55%)
■Aハイ vs 2枚がその間の数字
勝率はAハイ側が60%、その相手側が40%
■vs ランダムハンド
勝率は約3割。相手がランダムハンドの場合、3倍のオッズがあれば何のハンドであってもコールできる。
■下ペア vs 上ペア
下ペアが約2割、上ペアが約8割。
フロップで開くボードの確率
参加したハンドが、フロップで発展する確率は次表のとおり。
出現するボード | 確率 | 出現頻度 |
ポケットペアがセット以上になる確率 (セット/フルハウス) | 11.80% | 約8.5回に1回 |
スーテッドがフラッシュ完成する確率 | 0.84% | 約119回に1回 |
スーテッドがフラッシュドローになる確率 | 10.90% | 約10回に1回 |
コネクタがストレート完成する確率 | 1.31% | 約76.3回に1回 |
コネクタが両面ストレートドローになる確率 | 9.6% | 約10.4回に1回 |
スーテッドコネクターがフラッシュドロー/ ストレートドローになる確率 | 19.1% | 約5.2回に1回 |
フロップでワンペアになる確率 | 29.00% | 約3.4回に1回 |
フロップでツーペアになる確率 | 2.00% | 約50回に1回 |
欲しいカードを引ける確率
リバー(5枚目のカード)までにアウツを引ける確率は、次の算式で簡便に求められます。
■フロップ
リバーまでにアウツを引ける確率 = アウツの枚数 × 4 (%) |
■ターン
リバーまでにアウツを引ける確率 = アウツの枚数 × 2 (%) |
■フラッシュドロー、ストレートドローを引ける確率
それぞれ正確には約35%、約31%だが、実戦ではざっくり「3分の1」で計算します。
自分か相手の手持ちチップがポットより少ない場合は、オールインしてもオッズが3倍以上になるためオッズに合います。
勝率計算機
ブラウザ上でハンドの勝率を計算してくれるWEBサイトがいくつかあります。
そのうちの一つを紹介します。
Texas Hold’em Poker Odds Calculator
http://www.cardplayer.com/poker-tools/odds-calculator/texas-holdem
これは、自分のハンドと相手のハンド、ボードを選択すると、お互いの勝率・引き分け率を計算してくれるツールです。
適正なベット額
ベットには次の機能があります。
- 相手に次のカードを引くオッズを与えない(ハンドプロテクト)
- ポットを大きくして勝ちを最大化する
- 自分が負けている時に相手を降ろす(ブラフ)
- 相手の反応を見る
ここでは、相手にコールできるオッズを与えない適正なベット額を説明します。
プリフロップでのベット
プリフロップで参加してフロップをオープンしたとき、ハンドがボードにヒットする確率は約3分の1です。
現状は自分が勝っていて、もし相手のハンドがフロップでヒットしたら逆転されると仮定した場合、相手にフロップを見させないためにはオッズを3倍以下にすればいいことになります。
自分が最初の参加者であるとき、ざっくりBBの3倍をベットすればSB、BB以外のプレイヤーはオッズが3倍以下になります。プリフロップでのベット額は3BBを基準に、状況に応じて増減させます。
前にリンプがいるときは(SB、BBを含めた参加プレイヤー数)×1BBをベットします。
前にレイズがいてリレイズする場合は、レイザー以外の参加者がいない場合は3倍にして打ち返します。
他の参加者がいる場合は(SB、BB、Limper、Raiserを含めた現在の合計ポット額)に1BBを足してベットします。
フロップ、ターンでのベット
フロップ、ターンで勝っている場合、一番怖いのはフラッシュドロー、ストレートドローで逆転されることです。
これらの相手にオッズを合わなくするには、ポットの半分~6割をベットします。
計算上はポットの30%で相手のオッズはトントンになりますが、オッズに合わないことを明白にわからせるため多めのベットをします。
リバーでのベット
リバーはそれ以上カードを引かないため、逆転はありません。そのため、オッズは関係なくなります。
これまでのアクションから相手のハンドを読んで、勝ちを最大化できる額をベットします。
ブラフを使いこなす
ポーカーでは、自分が負けていても多額のベットをして相手を降ろすことで勝つことができます。
もちろん相手もブラフをしてきますし、だからこそ読み合い、鮮やかなブラフをすることがポーカーの華だと思います。
ブラフをする場合は、相手のアクションを見てからベットできる後ろのポジションのほうがやりやすいです。前のポジションからブラフして後ろにコールされた場合、その後の展開が苦しくなります。
色々なブラフの種類
コンティニュエーションベット(CB)
一番よく見るブラフです。プリフロップでレイズしたプレイヤーが、そのままフロップでもベットすることです。
ハンドがボードにヒットする確率は約3分の1であり、たいていは何もないためベットされたら降りるしかないということを利用したブラフです。
セカンドバレル
フロップでCBを打ってコールされたあと、ターンでもベットすることです。
1回目はCBと思われてコールされても、2回目ベットすれば本物だと思ってくれる場合があります。
ちなみにリバーで3回目のベットをすることは「トリプルバレル」と言いますが、ここまでついてきた相手はリバーもコールする可能性が高いです。
セミブラフ
フラッシュドロー、ストレートドローの可能性がある状態でのブラフです。
現状は負けていますが、逆転できる可能性がある点が大きな特徴です。
ピュアブラフ
逆転できる可能性が無い、またはそれ以上カードが引けないリバーでのブラフです。
そういう意味で、純粋(ピュア)なブラフです。
他に「完全ブラフ」、略して「完ブラ」ということもあります。
フローティング
フロップで後ろのポジションから相手のコンティニュエーションベットをコールし、ターン以降で相手のベットが止んだら打ち返すブラフ。
相手は反撃できるストーリーを持っていないので降りるしかなくなります
フロップでコンティニュエーションベットをするプレイは一般的で、ターンでチェックした場合は何も持っていないことが多いです。そのため、自分に良いハンドが無くても、ベットすれば降ろせることが多いです。
ブラフはそれほど効き目なし?
フロップ以降のベット額は、およそポットの5~7割が標準的なラインでしょう。
そのときにコールするオッズは約3.5~4倍。
必要な勝率に換算すると、勝率が約25~30%あればコールできるということになります。
こう考えると、コールに必要な勝率は思ったより低いとも考えられます。
もし相手が2回に1回ブラフしているとするなら勝率は50%ですから、楽々コールできてしまいます。
また、フロップ以降のカードで逆転の可能性もあることを考えると、コールできる可能性はさらに高いです。
逆にいえば、ブラフだけで相手を降ろすことは難しいとも言えます。
ブラフは良いハンドをコールさせるための布石
良いハンドでだけベットしていては、おそらく誰もコールしてくれないでしょう。
そこでブラフを適度に混ぜて、相手にブラフだと思わせてコールしてもらうという考え方があります。
この考え方は一理ありますが、「適度」な割合とはどのぐらいでしょうか?
ここで、リバーでポットの7割をベットした場合をモデルケースとしてみます。
こちらからリバーでポットの7割をベットした場合、相手がコールするのに必要な勝率は約29%( =0.7÷(1+0.7+0.7) )です。
このケースで、ブラフしなさすぎ、ブラフしすぎの場合はどうなるか考えてみます。
■ ブラフしなさすぎ
もし良いハンドでしかベットしなかった場合、相手から見るとベットされたときの勝率は0%です。そのため、このベットはコールできません。
相手がコールするのに必要な勝率は約29%ですので、言い換えれば相手から見て10回中3回以上はブラフである必要があります。
■ ブラフしすぎ
では逆に、100%ブラフしているときはどうでしょうか?
相手は楽々コールしてきますし、こちらはブラフでベットしたチップを毎回失ってしまうことになります。
こちらがベットして同額を相手がコールしてくるとき、このベットのオッズは2倍になります。そのため、期待値をプラスにするためには勝率が50%以上必要となります。
ベットしたときの勝率を50%以上に維持するためには、ブラフを10回中5回以内に抑える必要があります。
ブラフしなさすぎ、ブラフしすぎの間をとると、ブラフの頻度はおよそ10回中3~5回の範囲で調整することが適正値であると考えられます。
ポーカーのテクニック
ポーカーには色々なテクニックがありますが、よく見かけるものについて紹介します。
スチール
ブラインドスチール
ブラインドスチールとは、プリフロップでボタンやそれに近いポジションからレイズし、SB、BBをフォールドさせてブラインド分のチップを獲得(スチール)するプレイです。
次の2つがあることから、ブラインドスチールは有効な戦術です。
- フロップ以降、自身のほうがポジションが良い
- 残りプレイヤーが少ないため、良いハンドを持っている可能性が低い
そのためやのようなマージナルなハンドでも、レイズすればSB、BBは降りざるを得ない場面が多く、積極的にスチールすることでポットを獲得できます。
トーナメントでは頻繁に見られるプレイで、特に中盤以降のブラインドが大きくなる状況では重要なテクニックです。
リスチール
トーナメントでは、ブラインドスチールは非常にありふれています。
そのため、ボタンからレイズするハンドはそれほど強いものではないとも言えます。
そこで、SB、BBからさらにレイズを仕掛けて降ろすのがリスチールと言われるテクニックがあります。
しかし、相手が本当に良い手を持っていた場合は大きいポットを不利なポジションからプレイするリスクがあります。
スクイーズ
プリフロップで最初の参加者に対して何人かコールしたとき、彼らのハンドはレイズできるほど強くないといえます。
そこで、後のポジションからレイズをかぶせるプレイをスクイーズと言います。
最初の参加者がフォールドすると、後のプレイヤーはハンドが強くないためフォールドする可能性が高いです。
スクイーズは、最初のプレイヤーがルースプレイヤーだとフォールドしやすいため有効です。
ベッティングライン
チェックレイズ
チェックレイズとは、先のポジションをいったんチェックで回して、相手がベットしたらレイズするプレイです。
チェックレイズはベットに対してレイズしているため、相手から見れば相当強いアクションになります。
しかし、チェックレイズを狙って最初にチェックし、相手もチェックしてしまうとそのまま次のターンに移ってしまいます。もし強い役があっても、相手にフリーカードを与えてしまうので逆転されるおそれが出てきます。
また、ベットのチャンスを1回飛ばしているため、利益の最大化ができていないことになります。
そこで、チェックレイズを仕掛けるには、後にいるプレイヤーが頻繁にレイズをするプレイヤーである必要があります。相手がプリフロップでレイズしていた場合はコンティニュエーションベットをする可能性が高いので、チェックレイズを狙いやすいです。
また、チェックレイズは非常に強いアクションです。
そのため、相手にコールして欲しいのか、それとも降りてほしいのかも考慮する必要があるでしょう。
スロープレイ
スロープレイとは、強い役が出来た時にチェック、あるいは小さいベットにとどめて、相手が降りないようにしながら稼ぐプレイです。強い役を持ちつつ、それを悟られないように隠れているプレイです。
しかし、一般的にスロープレイはあまり得なプレイではないと言われています。
強い役が出来たなら素直にベットしたほうが稼げます。
また、チェックや小さいベットにとどめたことで相手にフリーカードを与えてしまい、その結果ドローを引かれて逆転されることもあります。
良いハンドでベットして相手が降りるようなら、後でベットしても同じです。
むしろ、相手にフリーカードを与えて逆転されるリスクのほうが大きいです。
そこで、スロープレイが有効となるのはドローを引かれても逆転されないときです。
ストレートドローやフラッシュドローを引かれても逆転されない役といえばフルハウス以上です。
フルハウス以上を持っていれば、スロープレイも選択肢に入ってきます。
ですが、スロープレイをするときは利益の最大化という面も考慮する必要があります。
ハンドリーディング
ハンドリーディングとは、相手のハンドが何であるかを推理することです。
相手のタイプ、見えているボード、これまでのアクション履歴をもとに何のハンドを持っているかを推理していきます。
推理の前提
ポーカーにはセオリーがあり、相手もそれを理解したうえで最も合理的な行動をとるだろうという仮定をもとに推理を行います。
また、スーツや数字のレベルまで完全に的中させる必要はなく、何の役を持っているかの予想で自分が勝っているか負けているかが判断できれば十分です。
そのため、セオリーを理解していない初心者や、ランダムに参加してランダムにベットするプレイヤーのハンドを推理することは難しいです。
相手のタイプ
一番簡単なハンドリーディングは、相手のタイプをもとに判断することです。
めったに参加しないプレイヤーが参加すれば、相当強いハンドを持っていることが予想できるでしょう。
また、フロップ以降でロックなプレイヤーがベットして、強い役が完成していそうなボードであれば、それを持っている可能性は高いでしょう。
ボードと役
テキサスホールデムでは裏返しになっている2枚のハンドと、ボードにでた最大5枚のカードを組み合わせます。
そのため、ボードを見てどんな役が作れそうかを推理します。
特に、ストレート以上の役はカードを5枚以上使うため、必ずボードに特徴がでます。
それぞれの役で、ボードに必要なカードは次のとおりです。
ロイヤルストレートフラッシュ
同じスーツのA、K、Q、J、10が3枚以上
ストレートフラッシュ
次のいずれかで、スーツが全て同じ
・連続した番号3枚
・連続した番号2枚+2ギャップ以内の1枚
・番号が1ギャップずつ飛んだ3枚
クワッド
同じ数字が2枚以上
フルハウス
同じ数字が2枚以上
フラッシュ
同じスーツが3枚以上
ストレート
次のいずれかを満たす
・連続した番号3枚以上
・連続した番号2枚+2ギャップ以内の1枚
・番号が1ギャップずつ飛んだ3枚
トリップス
同じ数字が2枚以上
ボードから相手の役をリーディング
それぞれの役を作るために必要なボードのカードを覚えたら、次は逆にボードにあるカードからハンドを推理します。
同じスーツが3枚以上ある
同じスーツが3枚あるボードではフラッシュの成立を警戒します。
たとえば、相手が同じスーツ2枚を持っていればフラッシュが完成しています。
また、同じスーツの数字が並んでいる場合はストレートフラッシュの可能性も考えられます。
ボードにペアがある
同じ数字が2枚以上出た場合はトリップス、フルハウス、クワッドを警戒します。
プレイヤーをプレイする
ポーカーでは「プレイヤーをプレイする」という言葉があります。
いつも同じ打ち方では、すぐに自分のハンドが読まれてしまいます。
そのためタイトに打ったりルーズに打ったり、いろいろな打ち方を混ぜること(ミックスアップ)で、ハンドを読まれにくくします。
本来の自分とは別に、ルーズなプレイヤーやタイトなプレイヤーを演じてプレイすることを指します。
あるテーブルではルーズなプレイヤー、別のテーブルではタイトなプレイヤーというように、状況に応じて演じるプレイヤーを変えます。
このようにプレイを変えていくことで、ハンドを読まれにくくするミックスアップの効果がありますし、テーブルの状況に対応したプレイをしていくことで利益をあげることができます。
たとえば、タイトなプレイヤーの多いテーブルではルーズにプレイしたほうが利益を得られますし、逆にルーズなプレイヤーの多いテーブルではタイトにプレイしたほうが利益を得られます。
さらなる上達を目指す
ここまで読んでみて、さらにポーカーを知りたい、もっと強くなりたいと考えているかたも多いと思います。
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